2022.11.12

radzenを用いたBlazor開発事例のご紹介

当社顧客の中小製造業の業務課題に対し、radzenを用いたシステムを企画・開発・導入しました。

事例の概要・背景

当社はこの度、顧客の機械器具製造業(東京都墨田区,従業員15名程度)に対し、 Webアプリケーション開発における最新のフレームワークのひとつである Blazor と その UIコンポーネント*群 の radzen (radzen Blazor Components) を使用して開発した "修理受付システム"を納品し、稼働開始に至りました。

"修理受付システム"は、属人的に管理されていた自社製品の修理業務に関するデータを一元把握するという業務課題を解決し、 さらに修理進捗のリアルタイムでの可視化によりワークフローの自動化を支援するものとして、企画~開発~導入まで一貫して当社が支援を実施しました。

修理受付システムの概要

当システム導入以前は、修理に関する情報は Excelシート等の様々な電子ファイルとして関係者間で個別に管理・共有されていました。 そのため、重複する内容のファイルを各人で作成していたり、シートの様式やバージョンの管理が属人化しがちで、 月間数十件発生する修理案件のリアルタイムの全容把握は容易ではありませんでした。 また、Excelシートに記入する製品・部品等のデータは、社内の弥生販売システムのデータ(構成部品表)と整合を取る必要があり、 随時変更される弥生販売のデータをExcelシートに反映するために、多くの手作業による転記が発生していました。

当システムは、これらの課題を解決するためカスタムメイドで開発したWebアプリケーションです。

データの一元管理・一元把握

当システムを通じて日々発生する各種修理情報・修理関係画像をクラウド上のデータベースおよびストレージに格納することで、 データの分散を防ぎ一元管理を推進します。 また必要に応じ弥生販売システムから直接データを取得し修理データと結合することで、 複数のファイルやシステムを行き来することなく修理案件に関する情報の一元把握を可能とします。

ワークフローの自動化

当システムでの通知事項の確認や何らかの操作が必要など、当システムの起動が必要な従業員に対して、 適時メールによるリマインドをシステムから自動送信するなど、従業員が現行業務で使い慣れた電子メールを起点として (当システムを意識的に起動しなくとも)ワークフローが導かれるように設計しています。

システムの操作性

当システムの利用環境は、営業担当者はオフィスのデスクトップPCで使用しますが、修理を担当する工場の作業員は、 当システム導入に合わせて個人別に配布されたタブレット(Surface Go)を使用します。 今回 radzen を採用した理由は、品質の高いユーザーインターフェイスを迅速に開発できることに加えて、 工場作業員が使用するタブレットでの操作性(画面部品の視認性の良さやタッチ操作のしやすさ)にも優れていると評価したためです。

画面例

当社の今後の取り組みについて

当社では、この事例と並行して中堅機械メンテナンス業のBlazorとradzenによる業務システム内製化についての技術指導を開始するなど、 今後はBlazorにフォーカスしてWeb開発の知見を深めていく方針です。

また、当社は本事例の他にも、自社特有の業務プロセスの存在により既存のソリューションの適用が難しい中小企業に対し、 カスタムメイドによるシステムの企画~開発~導入を行った実績を複数有しています。 今後もBlazorやradzenのような優れたフレームワークやクラウドを活用することで、 中小企業の 現行業務の尊重 と 業務改善の促進 という相反する要素をバランスさせたシステム構築を 低コストかつ迅速* に支援したいと考えています。

参考情報

  • UIコンポーネント…画面表示(UI:User Interface)に使うボタンやチェックボックスなどの部品
  • 本事例と同規模のシステムを構築する場合の規模感  ・価格 初期構築費用 100万円~/保守料(クラウド費含) 2万円月額~ ・構築期間 1.5か月~